合併症
Q前立腺がんの手術後、尿漏れが起こるというのは本当ですか?
手術を受けた患者さんの5~10%程度が、手術後に尿漏れを訴えます。しかし、尿漏れは「骨盤底筋体操」を行うことである程度の改善が期待できます。これは骨盤底筋を鍛えながら、尿道括約筋の機能回復をはかる体操です。毎日続けることで、尿道や肛門が引き締まり、しだいに尿漏れの頻度は少なくなると考えられます。
骨盤底筋体操について
Q手術をしたのですが、尿漏れが治りません。尿漏れを改善する方法というのはありますか?
前立腺がんの治療後の尿漏れ改善に有効なのが、骨盤底筋群を強化する「骨盤底筋体操」です。骨盤底筋群は、恥骨と尾骨との間にハンモックのように張っている筋肉で、膀胱や腸を支えています。ここを強化することによって、尿道の締りがよくなり、尿漏れが改善されます。毎日続けることで、尿道や肛門が引き締まり、しだいに尿漏れの頻度は少なくなっていくと考えられます。
骨盤底筋体操について
Q放射線療法による合併症はありますか?
外部照射療法では前立腺の周りにある直腸や尿道などにも放射線があたるため、勃起障害やトイレが我慢できない、トイレが近い、排便後もすっきりしない、といった症状が起こることがあります。組織内照射療法では、主に尿道に放射線が当たるため、トイレが我慢できない、トイレが近いなどの尿道症状が起きることがあります。
Q前立腺がんの手術により勃起障害になるのですか?
手術時に勃起機能に関係する神経に傷がついてしまったり、やむを得ず神経を取り除くことになった場合に、勃起障害が起こることがあります。しかし、勃起不全治療剤などで治療することができます。勃起障害が起こる可能性、また、勃起障害の治療については、手術を行う前に主治医に聞いてみてください。
Q前立腺をとってしまったら、何か障害が起こりませんか?
前立腺には、前立腺液を分泌する働きがあります。前立腺液は、精液の一部となり、主な働きは「精子を保護する」、「精子に栄養を与える」、「精子の運動機能を助ける」になります。手術により取り除いた後は、これらの働きがなくなります。また、手術後の合併症として尿漏れや勃起障害などがあります。尿漏れについては「骨盤底筋体操」である程度の改善が期待でき、また、勃起障害については勃起不全治療剤で改善することがあります。手術の前に先生とよくご相談ください。
骨盤底筋体操について
Q私は前立腺がんですが、してはいけない運動などはありますか?また、逆にお勧めの運動はありますか?
身体を動かすことにより、免疫力を高める、便秘を防ぐ、血行をよくするなどの効果が得られるため、中高年の方の適度な運動は、生活習慣病の予防、あるいは治療法のひとつとしても勧められます。ただし、痛みがあるときなどの運動は禁物です。重いものを持ったり、瞬間的に力むような運動も避けるべきです。自分の体力を十分把握して、決して無理はしないことです。適切な運動量については主治医と相談して決定するようにしましょう。
なお、前立腺がんの治療による主な合併症のひとつに尿漏れがありますが、これを改善するには骨盤底筋を強化する「骨盤底筋体操」が有効です。毎日続けることで、尿道や肛門が引き締まり、しだいに尿漏れの頻度は少なくなっていくはずです。
骨盤底筋体操について
Q前立腺がんになると性機能は失われるのですか?
前立腺がんが大きくなると、尿道や膀胱の出口を圧迫するため、排尿が困難になるとともに性機能に支障をきたす場合があります。また、治療による副作用で性機能障害を発症することがあります。勃起障害が起こった場合は、勃起不全治療剤などにより治療をすることができます。性機能障害に関する治療については、主治医とよく相談してみましょう。