前立腺とは?

目次

監修
群馬大学名誉教授 黒沢病院予防医学研究所所長 山中 英壽 先生
協力
黒沢病院予防医学研究所 加瀬 嘉明 先生

どこにあるのか?

前立腺は男性だけにある臓器です。
前立腺は膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいます。
また、一部が直腸に接しているため、直腸の壁越しに指で触れることができます。
大きさはちょうど栗の実くらいで、形も栗によく似ています。

どこにあるのか?

構造

前立腺はみかんのような層構造をしていて、尿道のまわりの内腺(みかんの実にあたる部分)と被膜付近の外腺(みかんの皮にあたる部分)に分けられます。
最近では辺縁領域、中心領域、移行領域の大きく3つのゾーンに分けられることもあり、辺縁領域は従来の外腺、中心領域と移行領域は内腺にあたると考えられています。

構造

働き

前立腺の働きについては、まだわからないことが多くあります。
わかっている働きは、前立腺液を分泌することです。
前立腺液は、精液の一部となり、精子を保護したり、精子に栄養を与えるとともに、その運動機能を助ける役割を果たしています。

男性ホルモンとの関係

前立腺の生理作用は男性ホルモン(アンドロゲン)の作用により維持されています。
前立腺の成長、また、前立腺に発生する前立腺がんおよび前立腺肥大症などの病気の進行にも、男性ホルモンが関与しています。
男性ホルモンは精巣から、一部は副腎からも分泌されます。
主な男性ホルモンであるテストステロンは、その約95%が精巣でつくられています。
テストステロンは脳内の下垂体から分泌されるLH(性腺刺激ホルモン)によってコントロールされ、さらにこのLHは、脳内の視床下部のLH-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)によってコントロールされています。
つまり、「LH-RH→ LH→テストステロン」という順番で分泌されるわけです。

男性ホルモンとの関係