前立腺肥大症との違いは?
前立腺肥大症は良性前立腺腫大に尿道閉塞、下部尿路症状が絡み合った複合的な臨床像です。前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかでもっとも多くみられる病気です。
この良性前立腺腫大は内腺(尿道を取り囲む部分:移行領域)で発生するため、尿道が圧迫され狭くなる(尿道閉塞)ことで、尿がでにくい、トイレの回数が多くなる、尿をしたあとすっきりしない、などの自覚症状(下部尿路症状)があらわれます。排尿に関連する症状があらわれるようになると日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な治療が必要になります。しかし、なかには前立腺腫大があっても症状がみられない人もいます。
一方、前立腺がんは、主に外腺(尿道から離れた部分:辺縁領域)に発生するため、早期では自覚症状はあらわれません。がんが進行し、尿道や膀胱を圧迫するようになると、排尿時の症状や血尿などがあらわれるようになります。